高野公彦 しら鷺を潟におろして一月の

歌集水苑を読む。P17.の二首目。

 しら鷺を潟におろして一月の空憩いをりきらら虚(おほぞら)

読んでいきます。
しらさぎをかたにおろしていちがつのそらいこひをりきららおほぞら

前の歌があきつでしたから、秋の歌からすぐ一月の歌になっているん
ですね。
潟は干潟ばかりでなく、潟湖、ラグーンや浦、入り江の意味もあるこ

とを知りました。大空を虚(おほぞら)と言っているのも
いかにも高野公彦らしいです。新しい言葉、感覚を使う、表すという
ことを意識しているんですね。

 空が憩っているというのが面白いですし、しかも白鷺を潟におろして
というのですから。きららおほぞらがとてもいい、なるほどという感じ
です。

高野さんは、かつては、私にとって先生でしたが、有名人なので
敬称は略しています。これからも、敬称略で書いていきます。