高野公彦 :現代短歌の鑑賞101 小高賢 編著

 101人の代表歌を抄出した、小高賢さんですが。
高野公彦については、
大岡信の「高野公彦は、すでに第一歌集で・・・一家の風を確立して

いると言っていいとさえ思う。」という文を引用しています。
そのうえで、「ささやかな風景が宇宙的な広がりをみせることも
少なくない。短歌の本来もっている機能を拡張し、そのおもしろさを

高野ほど味わわせてくれる現代歌人もいないのではないか。」と
言っているんですね。

高野公彦の第一首目は『汽水の光』のつぎの一首です。

少年のわが身熱をかなしむにあんずの花は夜も咲きをり



身熱には「しんねつ」、咲きには「ひら」きと、かながふられています。

小高賢さんは、この本の発行当時、(1999年5月15日)
「かりん」編集委員。とあります。

また、はしがきに、本書は前川佐美雄から以降だとあります。


少年の の歌ですが、身熱は少年独特のものではないかな。
とか、少女にはあるのだろうか。
あるいは、老人の病気から出る熱とは全く違う。

などといろんな妄想を私は浮かべました。全く批評では
ないのですが。これから、高野の歌について
批評はできないので、感想を書いていこうと思います。

花は夜も咲きをり がいいですね。