高野公彦の歌 短歌研究五月号から 津波を歌う。

短歌研究 五月号 から。

 特集「現代の96人」 七首+エッセイ の中に
高野公彦の歌がありました。



春のうなばら巨大波座が走りきて三陸を破壊し破壊し壊す


高野公彦七首のうちの一首目です。波座には「なぐら」という
ふりがながついています。今回の大地震、震災も高野が詠む
とこうなるのか、という衝撃的な歌になっています。

 初句は七音。下の句も、9音、7音で、この一首の重さ、強さ
がでていると思います。

もう一首。つぎは、福島 を詠んだ歌。

核燃料は冷やされて燃え続けをり「明けない夜は無」という嘘



半枕螢子氏へ とあります。福島 「富岡町夜の森」に住まれていた方のようです。「無」は、「無い」だったかも知れません。
図書館で読んだものですから、手元に五月号がありません。


いずれにしても、読みは「ない」だったと思います。高野さんは、新かな使いで通していたようですから。「高野先生」と言うのが
いいのでしょうが、有名人ということで、敬称略します。

 核燃料は も7音で、歌の強さを表しているのだと思います。
この歌も私には、下の句が衝撃的でした。