花了へし紅梅の木に近づけば 高野公彦歌集『水苑』を読む。
高野公彦歌集『水苑』を読む。今回は、「紅にあそぶ」の
P.35の一首目です。
花了へし紅梅の木に近づけばほつほつと紅を継ぐ
みどりの芽
紅には「こう」とよみがついています。
読んでいきます。
はなおへしこうばいのきにちかづけばほつほつとこうを
つぐみどりのめ
紅梅の木に近づいてみたら、花は落ちてしまい、終わって
いるのだけど、みどりの芽には紅色を引き継いだように
みえる芽がほつほつとある、というような意味でしょうか。
花を了へても、紅梅の木は、人を魅了する。と、いうこと
でしょうか。「紅にあそぶ」は、次回で終わります。