高野にはちよつと優しくして 高野公彦歌集『水苑』を読む
高野公彦歌集『水苑』を読む。今回は、「紅にあそぶ」の
P.34の一首目です。
高野にはちよつと優しくしてあげて飲ませてごらん
あつぱらぱあとなる
高野には、あいつとふりがながついています。
読んでいきます。
あいつにはちよつとやさしくしてあげてのませて
ごらんあつぱらぱあとなる
調子にのって、飲み過ぎるということは、五十代になって
からのことかな、と思われます。
「あつぱらぱあとなる」というなつかしい言葉が使われています。
今では、あまり聞かない言葉ですね。辞書には、
能天気な浪費家で、お調子乗りで今の自分を存分に楽しんでいる人。
とありました。俗語ですが、こういう場合短歌で使用していい
ということなんですね。自戒の歌というのでしょうか、次回も
酒酔いの歌です。