熱力学などもほとほと忘れ 高野公彦歌集『水苑』を読む。

高野公彦歌集『水苑』を読む。今回は、「紅にあそぶ」の
P.33の一首目です。

熱力学などもほとほと忘れ去り紅梅咲けば紅に遊べり

紅には、「こう」とふりがなが付いています。

読んでいきます。
ねつりきがくなどもほとほとわすれさりこうばいさけば
こうにあそべり

高野さんは、文学部で学んでいるのですが、かつて
言ったことがありました。「私も、工学部で学んだこと
があります。」と。

履歴では、機械工学ではなかったかと思いますが、当然
熱力学も学んだのですね。私も工学部で学んだのですが、
熱力学も、ほとほと忘れました。工学と関連がない

仕事を長年、続けると大学で学んだことも忘れてしまい
ます。それで、よく分かります。

作者は、咲き誇る紅梅を見ても、ひょっと
 熱力学などを学んだことを想い出したりします。
紅梅咲けば、紅に遊べりと言っているのがいいと思います。

もちろん、この歌の場合は、紅梅は、咲き始めたばかり
かも知れません。

一ヶ月ほど、休んでいましたが、また続けていきます。
次回は、「紅にあそぶ」のP.33の二首目です。