巨鳥のつばさが空をおほふかと 高野公彦歌集『水苑』を読む。

 高野公彦歌集『水苑』を読む。今回は、「紅にあそぶ」の 
 P.30の二首目です。

巨鳥のつばさが空をおほふかと思ふまで寒し神戸燃ゆる日

巨鳥にはおほとりとよみがついています。
読んでいきます。

おほとりのつばさがそらをおほふかとおもふまでさむし
こうべもゆるひ

神戸燃ゆる日は、大地震で神戸が燃えた日ですね。
作者は、もちろん、季節だけのせいでなく、大震災のため
非常に寒い思いをしているのですが、

その寒さは、巨大な鳥がつばさをひろげ、空を覆い尽くし
ているかのように思えるものであるいうことなんですね。

「紅にあそぶ」は、まだ続きます。