柳川は刈田に 高野公彦歌集『水苑』を読む。
はじめての短歌。短歌初心者の方のために。
高野公彦歌集『水苑』を読む。「鳥の影」の続きです。
P.27 二首目。
柳川は刈田に冽き光さし野の貴公子のかささぎ歩く
冽きには「さむ」きとふりがながついています。
読んでいきます。
やながわはかりたにさむきひかりさしののきこうしのかささぎあるく
かささぎはカチガラスともいいます。イナゴなどの害虫を食べる
ことから益鳥とされていて、佐賀県などで、天然記念物に指定され
ています。
柳川などの福岡県、佐賀県などが主な生息地です。羽を拡げて
立っている姿はたしかに野の貴公子といえるでしょう。というか、
やはり、高野さんうまいこといいますね。
柳川は、観光用の川船もあり、水郷というおもむきもあります。
刈田ですから、秋の水田に光がさしているが、さむい光なんです
ね。その刈田をカササギが歩いているというんですね。
今回で「鳥の影」は終わりです。最後の歌は、やはり鳥の歌で
した。