海へ出てあそんで来いよ 高野公彦歌集『水苑』を読む

海へ出てあそんで来いよ洗剤の泡うかべゐるくろき
多摩川

高野公彦歌集『水苑』を読む。今回は、「左手」の
P.44の二首目です。
読んでいきます。

うみへでてあそんでこいよせんざいのあわうかべ
いるくろきたまがわ

洗剤の泡が浮かんでいる多摩川。その多摩川を見て
海に出て遊んできなさいよ、と川に、川の流れに
呼びかけているのでしょうね。

川を汚染する洗剤だけではないですが、川の汚染
に対する悲しみが、「くろき多摩川」にも表現されて
いるのではないでしょうか。

次回で、「左手」は終わりです。