使ひ古りて石鹸うすし 高野公彦歌集『水苑』を読む。

高野公彦歌集『水苑』を読む。今回は、「左手」の

P.40の一首です。

使ひ古りて石鹸うすし消火器と銃を使はず一生ありたし

一生には、「ひとよ」と読みがついています。
読んでいきます。

つかひふりてせっけんうすししょうかきとじゅうをつかは
ずひとよありたし

使い古しの石鹸はうすくなっている。消火器と銃は使わないで
一生を終わりたいというんですね。

火事には、遭いたくない、銃を使うような強盗とかにあうような
ことも一生、あってほしくないと言うわけです。
使い古しの石鹸をみて、こういう短歌ができるのが

いいですね。

今回から、「左手」に入りました。