歯で噛んで 高野公彦歌集『水苑』
高野公彦歌集『水苑』を読む。今回は平成七年
薄やうの雲
の二首目です。『水苑』P21です。
歯で噛んで手袋ぬぎし美少女を授業終はりてのち思ひ出づ
読んでいきます。
はでかんでてぶくろぬぎしびしょうじょをじゅぎょうおはりてのち
おもひいづ
作者が教えている女子大でのある教室での風景でしょう。
といっても出てくるのは美少女だけですが。
歯で噛んで手袋をぬぐのが、ちょっとした驚きだったの
かもしれません。それも、美少女だったから。
授業終はりてのち思ひ出づ、に作者の心が表れていると
思います。
薄やうの雲
の二首目でした。次回は同じP21の二首目です。